現代病として問題になっている症状が「スマホ首」です。なんと現代人の半数以上がスマホ首になっているとも言われており、スマホの使い方や見る時の姿勢の影響により、肩こりや首の痛み、頭痛といったさまざまな不調に悩む人が多くいるのです。
スマホ首とはどのようなものか原因と症状をご紹介します。また対策、予防法も解説するため、普段のスマホの使い方を見直してみてはいかがでしょうか。
スマホ首とは?
スマホ首とは、スマートフォンを長時間使用することによって首や肩に痛みやこりが生じる状態を指します。
この症状は、現代のデジタル社会で非常に一般的になっています。スマートフォンの普及に伴い、多くの人がスマホを長時間使用するようになり、その結果として「スマホ首」を感じる人が増加しています。特に、長時間のスマホ操作や不適切な姿勢がこの症状を引き起こすことが多いです。
スマホ首の原因
スマホを長時間使用することで首に負担がかかります。首を前に傾けた姿勢でスマホを見続けると、頭の重みがそのまま首や肩にのしかかる状態になります。
頭の重さは人によって異なりますが、10kg前後と決して軽いものではありません。常にボーリングの球を細い首が支えている状況だと想像すると、首が前に倒れている状況は大きな負担になると想像できます。
またスマホやタブレットの使用頻度が高まることで、首にかかるストレスも増加します。スマホを1日何時間も使っていたり、仕事でもデスクワークで画面を見続けていたりする人は、スマホ首が悪化しやすいためしっかりとした対策が必要なのです。
首の痛みやこり
スマホを長時間使用すると、画面を見下ろす姿勢が続くため、首の筋肉に過度な負担がかかります。この姿勢を維持することで首の筋肉が緊張し、血流が悪化します。その結果、首筋が痛くなったり、こりを感じることが多くなります。特に、首の後ろや肩甲骨周辺に違和感や痛みが集中しやすいため要注意です。
肩こりや背中の痛み
スマホを使う際の姿勢は、首だけでなく肩や背中にも影響を与えます。首が前に傾くことで、肩の筋肉も引っ張られ、肩こりが生じます。さらに、肩の筋肉の緊張が背中にも広がり、背中の痛みを引き起こすことがあります。長時間同じ姿勢を続けると、肩や背中の筋肉が硬直し、痛みが広がりやすくなります。
頭痛
首の筋肉が長時間緊張することで、首から頭部にかけての筋肉も影響を受けます。この筋肉の緊張が頭部にまで及ぶと、緊張型頭痛が発生することがあります。首の筋肉が硬くなることで、頭部に圧迫感や痛みを感じるようになります。これが頭痛として現れるのです。
手や腕のしびれ
首の筋肉が緊張し続けることで、首にある神経が圧迫されることがあります。特に、首の神経は手や腕に伸びているため、圧迫が神経に影響を与えると、手や腕にしびれを感じることがあります。このしびれは、神経の圧迫によって血流が悪くなり、感覚が鈍くなることで生じます。
今すぐできる!スマホ首(ストレートネック)のセルフチェック方法
壁にかかと、お尻、肩をぴったりとつけて立ってみてください。この時頭が壁から離れている場合、ストレートネックにより、首が後ろに下がりづらくなっている可能性があります。
自分で判断しづらい時には、横方向からの写真を撮ってみましょう。壁に頭がついていなかったり、肩の部分よりも頭が前に出ていたりする状態は、スマホ首と判断できます。スマホ首は自覚がないケースも多くあります。
実際に真っすぐな壁に頭をつけようとして、はじめて自覚することもあるため、まずは簡単にセルフチェックしましょう。
スマホ首になっている人の対策
スマホ首は現代人の多くが発症しており、自覚がないままの人も多くいます。やがて全身の不調に発展する前に、まずはスマホ首を少しでも改善するために普段から姿勢を見直しましょう。
またスマホの使い方も改めて考えて、健康的な生活を心がけてください。
正しい姿勢を常に意識する
スマホの持ち方と目線の位置は、首や肩にかかる負担や姿勢の悪さを軽減することにつながります。ポイントは首が下に下がらないようにスマホを高く持つこと。
スマホを目の高さに持ち、画面を直接見るように心がけてください。これにより、首を前に傾ける必要がなくなり、首が下に向いたり重みが肩にかかる状況を予防できるのです。
また、どうしてもスマホを長時間持っていると、手が下に下がって目線も下がりがちです。常に画面を見下ろすのではなく、目線をまっすぐに保ち、首や肩の筋肉の緊張を最小限に抑えましょう。
手に持ったままやテーブルに置くよりも、目線と高さを合わせられるスマホスタンドを使用すると、手を使わずに目の高さで画面を見ることができ、姿勢がより楽になります。
定期的な首と肩のストレッチ
簡単にできるストレッチを日常的に取り入れることが重要です。例えば、首を左右にゆっくり倒す「首の横伸ばし」や、肩を上下に動かす「肩の上げ下げ」などが効果的です。
ポイントは30分や1時間に1回と、高頻度で肩や首を動かすことです。長時間同じ姿勢でいると、スマホ首が悪化したり血流も悪くなったりします。
こまめなストレッチは筋肉の緊張がほぐれ、血流が改善されるため、痛みやこりの予防になります。また、首や肩を動かすだけでなく、腕を頭よりも高く上げるなどして大きく筋肉を動かすことも大切です。
スマホ首は悪化すると、腰や背中への筋肉にも負担がかかってしまうため、ストレッチを習慣化して柔軟性をキープしてください。
30分ごとに休憩をとる
スマホを使用する際は、30分ごとに目を休めることを心がけましょう。画面から目を離し、首をゆっくり回すなどしてリラックスさせることで、首や肩にかかる負担を軽減できます。
できれば30分スマホを使ったら、そのあと15分程度は画面を見ずに遠くの景色を眺めたり、上の方を向いたりして目の緊張をやわらげましょう。
パソコンのデスクワークも長時間続けていると、ストレートネックになってしまいます。可能な限り30分に一度は立ち上がって、体を動かすようにすると疲労感の軽減や、悪い姿勢のまま凝り固まってしまう状況を防げるのです。
適切なスマホ設定
フォントサイズの調整やブルーライトカットなど、普段からスマホを使用した時の目の負担そのものを減らすことを心がけましょう。
スマホのフォントサイズを大きく設定し、文字が見やすくすることで目の疲れを軽減します。また、ブルーライトカット機能を利用することで、画面から発せられるブルーライトの影響を減らせます。
iPhoneであれば、黒を基調とした画面に切り替えられるダークモードがおすすめです。また、ブルーライトではなくオレンジの光によって、目の負担を軽減する「ナイトシフトモード」を取り入れましょう。これにより、目の負担が軽減され、首や肩の筋肉の緊張も減少します。
スマホスタンドやパソコンの高さを調整する
スマホスタンドを利用することで、スマホを目の高さに保ち、首を前に傾けずに済みます。パソコンを使用する場合は、画面の高さや角度を調整し、自然な姿勢で操作できるようにしましょう。これにより、首や肩の筋肉にかかる負担を軽減し、スマホ首のリスクを減らせます。
筋トレで首や肩をしっかり支える
首や肩の筋力を鍛える筋トレは、ストレートネック対策になります。
定期的な筋力トレーニングは、首や肩の筋肉を強化し、姿勢を支える力を高められるのです。
スマホ首の原因は、首、背中、肩などの筋力不足、柔軟性が足りないことで、正しい姿勢をキープできないことも大きな理由です。例えば、「首の回旋」や「肩甲骨を寄せる」エクササイズなどがあります。これらのエクササイズを日常に取り入れることで、筋肉の柔軟性と強さを維持し、スマホ首を予防する助けになります。
ストレッチと適度な有酸素で体のめぐりを良くする
日常生活に取り入れる簡単な運動も、実はスマホ首対策にとても有効です。ウォーキングや軽いストレッチなど、日常生活に運動を組み込むことで、全身の筋肉をほぐし、血流を改善します。
特に長時間のスマホ使用後には、軽い運動を取り入れて筋肉の緊張をほぐすことが大切です。ついスマホを長時間見てしまう人は、散歩やウォーキングを取り入れると強制的にスマホ画面から目を離す時間を作れます。
できるだけ歩いている時は目線を下げずに、首や背骨をまっすぐに起こすイメージで正しい姿勢をキープしましょう。遠くを眺めることで目の疲れも癒し、スマホ依存の軽減にもつながります。
スマホの使用時間を制限する
現代人はスマホ依存になっている人が多くいます。スマホの使用時間を見直して、1日あたりの使用頻度を減らすだけでも、首の負担を軽減できるのです。
スマホの使用時間を管理するために、使用時間をトラッキングできるアプリを活用しましょう。これにより、スマホの使用を適切に管理し、使い過ぎを防ぐことができます。また、アプリごとのスマホの利用時間をあらかじめ設定しておくと、動画の見過ぎやアプリゲームのやりすぎといった、のめり込みすぎてしまう状況を予防できるのです。
長時間の使用を避け、スマホ首のリスクを減らすと同時に、体を動かす趣味や睡眠の質を高めるための時間を意識するなどして、生活環境を見直しましょう。
まとめ
日常生活での姿勢やストレッチ、適度な運動を心がけることが重要です。
長期的な健康のためのスマートフォンとの付き合い方: スマホの使用時間を管理し、適切な使い方を意識することは、日々の健康管理でとても大切です。スマホ首が悪化してしまうと、首や肩だけに留まらず全身の不調につながってしまいます。
ここ数十年でパソコンやスマホなどのデジタルデバイスは、世界中に広がっていきました。まさに現代病と言えるスマホ首だからこそ、常に姿勢を意識して首に負担をかけないよう意識していきましょう。