日本人は睡眠時間が短く、特に近年は減少傾向にあると言われています。なぜ睡眠時間が減っているのか、そして睡眠時間が短いことによるリスクをご紹介します。
眠りにつくために心掛けたい習慣も一緒に説明しているため、ぜひ参考にしてください。
日本人の平均睡眠時間は?
日本人の睡眠時間は平均7時間42分で、過去20年間にわたり減少を続けています。 特に40代・50代の働き盛りの年代層の睡眠時間は7時間そこそこであり、週末に平日より1時間ほど長く眠ることで何とか睡眠不足の帳尻を合わせているようです。 また女性で睡眠時間が短いのが目立ちます。
引用:厚生労働省
日本人の平均睡眠時間は、減少し続けていて子育てと仕事を両立している女性は特に睡眠がとれていない傾向にあります。
一般的には、星人の睡眠時間は最低でも7時間から9時間が推奨されています。十分な睡眠は身体や脳の機能を正常に保ち、健康を維持するために重要です。
平均睡眠時間をとることの重要性
睡眠時間をしっかりと平均とることは、日々の生活を豊かにするうえで欠かせません。なぜ睡眠時間を平均以上とるように心掛けるべきなのか、その重要性をご紹介します。
1. 翌日のパフォーマンスの維持
睡眠不足は認知機能の低下や注意力の散漫さを引き起こし、翌日の業務や学習に影響を与えます。
なぜなら脳は睡眠中に、1日に得た情報を整理して疲労を回復します。しかし、睡眠時間が足りていない状況では、いつまでも疲労が残った状態になってしまうのです。
その結果、パフォーマンスを維持できずに十分な睡眠をとれないことで、寝起きから頭がだるいという症状が出やすいのです。
一方で十分な睡眠をとることで、クリアな思考や適切な判断が可能になります。疲れた日にぐっすりと眠って翌朝すっきりとした頭で、エネルギーがみなぎっている気分になることは、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
これこそ、きちんと心身がリセットされてまた動き出す活力を得られるのです。つい忙しいからと睡眠をないがしろにしていると、パフォーマンスが下がり予定よりも作業が進まないという悪循環の日々が続いてしまうのです。
2. 成長ホルモンによる体の修復が行われる
成長ホルモンは睡眠中に分泌されるホルモンです。この成長ホルモンは、体のダメージを修復して細胞の再生を促進するための必要なホルモン。
特に体が大きく成長する子供や青年期は、睡眠不足がそのまま身長に影響するとも言われています。それほど重要な成長ホルモンは、大人になってからも若々しい体を保つうえで欠かせません。
筋トレをしている人は、ダメージを受けた筋肉を修復し、そのうえで肥大化させています。この働きこそが、成長ホルモンの影響を受けている状態です。つまり、睡眠不足は成長ホルモンの分泌が減り、体のダメージが修復されないことで、体調を崩したりどんどん老化が進んで行ったりしてしまうのです。
3. 体力や気力の回復
睡眠中には体力や気力の回復が行われます。体力や気力は、ただ横になっているだけでは回復しきることがむずかしいです。じっくりと体を横にして十分な休息をとることで、日中の活動に必要なエネルギーを蓄えるのです。
また、気力の回復も睡眠による脳のリセットが重要です。昨日悩んでいたことも、よく朝起きたら大した問題ではないと、前向きに考えられるのはストレスへの抵抗力が向上した証拠です。
総じて、十分な睡眠は身体や精神の健康に不可欠であり、日々の生活の質を向上させる重要な要素なのです。
睡眠不足が続くことによるリスク
睡眠不足が続くことは、次のように多くのリスクがあります。最悪の場合、睡眠不足が原因で命を失いかねないのです。
睡眠環境や時間を見直して、健康維持を考えましょう。
1. 脳疲労が蓄積されたままになる
頭痛、集中力低下などが現れてしまい、睡眠不足が続くだけ脳の疲労が蓄積されてしまいます。すると、思考力や判断力の低下、認知機能の低下などが起こりやすくなるのです。
この認知機能の低下は、思わぬ事故に巻き込まれたり仕事のミスにつながったりと、日々の不運を引き寄せる原因にもなります。
脳疲労の蓄積は特に近年、スマートフォンなどのデジタル機器の依存によって、社会問題になりつつあります。脳疲労の蓄積を放置しないで、しっかりと睡眠をとることが求められるのです。
2. 集中力が低下する
睡眠不足は仕事や学習において簡単なミスが増え、タスクに対する注意が続きにくくなります。ただ生産性が下がって業務に影響が出るだけでなく、ほかの人との会話も上の空になってしまいます。
その結果、社会的な信用を失ったり、友達との別れにつながったりと、人間関係にも大きく影響する原因になります。
3. 免疫力が下がる
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、体のダメージを修復する大切な時間です。睡眠不足が続くと、肉体的な疲労もどんどん蓄積されていきます。
風邪をひいたときは、とにかくたっぷりと眠って休むと回復が早いと昔から言われるのは、睡眠中に起こる細胞の再生や体の修復によるものが大きいのです。
つまり、免疫機能の低下により健康リスクが増加し、風邪などの感染症の回復が遅れる可能性があるのです。
4. 肌や髪など外見的な悩みが増える
睡眠不足は美容の大敵です。成長ホルモンは肌のターンオーバーを促進し、健やかな肌づくりに重要です。ターンオーバーがうまくいかないと、くすみ、シワ、肌荒れの原因になります。
また、髪が育つスピードや強さにも影響が出てしまい、枝毛や抜け毛などが増えるきっかけにもなるのです。外見的な悩みが増えることでストレスが溜まり、また眠れないという悪循環が続くのです。
5. イライラが続きやすい
小さなことでもイライラしやすく、ストレスに弱くなってしまうことも睡眠不足のリスク。
睡眠不足が続くことにより、身体的・精神的な負担によって心身のバランスを崩す原因になります。特にうつ傾向がある人は、睡眠不足だとますますイライラや不安が続き、気持ちが落ち込む状況になってしまうのです。
このように適切な睡眠を確保することは健康と生活の質を向上させるために非常に重要です。
睡眠の質を下げるNG習慣
睡眠の質を下げてしまうNG習慣を避けて、日々の睡眠を大切に考えていきましょう。
1. 午後からのカフェイン摂取
昼過ぎ以降のカフェイン摂取は、睡眠の質を低下させる可能性があります。カフェインは覚醒作用があり、午前中はパフォーマンスの向上や眠気を覚ます効果が期待できます。
しかし、午後にカフェインを摂りすぎると、脳が覚醒状態になり寝つきの悪さを引き起こすのです。午後からはカフェインを摂らないか、控えめに摂取するように心掛けましょう。
2. アルコールの飲み過ぎ
過度なアルコール摂取は深い睡眠を妨げ、眠りの浅さを引き起こすことがあります。アルコールをいきなりゼロにするとストレスの原因になってしまいますが、少しずつ量を減らしましょう。
また、寝る直前に睡眠のためにお酒を飲んでいる人は、実は眠りが浅くアルコールの影響で胃腸にも負担がかかっている状況です。寝る直前のアルコールは控えるようにしましょう。
3. 家にいてもリラックスできない環境
ストレスフルな環境では心が落ち着かず、質の良い睡眠が得られません。たとえば、家が散らかっていて落ち着かない、家にいても仕事や人間関係の悩みが離れずに、暴飲暴食してしまうような環境は、睡眠の質まで下げてしまいます。
寝室を快適な空間に整え、リラックスできるように心掛けましょう。眠る前の癒しのアロマ、寝具の見直しなど、くつろげる環境づくりが必要です。
4. ストレスの溜めすぎ
長期間にわたるストレスは睡眠障害の原因となります。ストレス発散の方法を見つけ、日常的にリラックスする時間を確保しましょう。
5. 運動不足による肉体疲労がない状態
適度な運動がないと、体が緊張せず良い眠りが得られないことがあります。運動は30分程度の散歩や、ストレッチなど短時間でも、体がほぐれて入眠しやすい状況を作れます。
適度な運動を日常的に取り入れ、体を活性化させましょう。
睡眠の質を向上させるためのポイント
睡眠の質を高めるために、意識したいポイントをご紹介します。
適切な睡眠サイクルの維持
規則正しい睡眠サイクルを保つことで、生体リズムが整い深い眠りが期待できます。毎日の起床と入眠時間は基本的に何があっても固定することがポイント。
特に週末など翌日休みの状況は、つい夜ふかししてしまいがちです。しかし、睡眠サイクルを崩さないことで、毎日決まった時間に眠りやすくなり、しっかりと睡眠の質も保てるのです。
寝る3時間前で食事を終える
大きな食事は胃を働かせ、睡眠の妨げになります。寝る前には軽めの食事を心掛けましょう。特に睡眠3時間前までには、食事を終わらせておいて胃腸を休ませることがポイントです。
また、どうしても夜食を食べるのなら、消化しやすい野菜や白米などを選び、脂質の多いものや高カロリーな夜食は控えましょう。
寝る前にスマホやPCを見ない
ブルーライトは睡眠を妨げるため、寝る前のデバイス利用は控えましょう。できれば寝室にはスマホを持ち込まないことが、寝る前にスマホを操作してしまう習慣を予防できます。
ブルーライトによる刺激を避けるために、眠る前は読書などデジタル機器を見ない生活を意識してみましょう。
眠る1時間前に入浴する
温かいお風呂は体温を上昇させ、眠りを誘います。特に入眠1時間前にお風呂に入ると、だんだんと体温が下がり、眠りにつきやすくなります。
また、リラックス効果のあるハーブティーや温かい白湯などを眠る前に飲む習慣をつけることで、さらに眠りやすい環境になるのです。
まとめ
睡眠は健康を保つために欠かせないことです。毎日の睡眠にこだわることが、生活の質改善になるのです。
どうしても眠れないときは、睡眠導入剤や抗不安薬を使うことも1つの手段です。生活習慣を整えると同時に、薬によって入眠をサポートするうち、だんだんと眠りやすい環境を作っていけるのです。
睡眠導入剤は海外通販を活用すれば、医師による処方を受けずとも購入可能です。効き目の軽いものから試してみて、無理のない範囲で続けてみましょう。