顔の気になるシミ、なんとかしたいですよね。
シミは種類によって、できやすい原因や対策が違うことを知っていますか?今あるシミへのアプローチと、予防方法もそれぞれ異なります。
シミの原因を知り、今の自分の肌に合わせたセルフケア方法を探しましょう。
シミの種類を知ることがセルフケアの近道
セルフケアで消せるシミは、大きく分けて次の3つです。
- 老人性色素斑
- 炎症性色素沈着
- 肝斑
これらのシミの特徴と原因を知り、当てはまるシミの種類に合わせてケアしましょう。
老人性色素斑
原因 | ・紫外線による影響 ・ターンオーバーの乱れ ・ストレス ・加齢 |
特徴 | ・茶褐色から茶色 ・シミの輪郭がはっきりしている |
老人性色素斑は、年齢を重ねることでできやすい、いわゆる茶色のシミです。
特に日光が当たりやすい目元や頬周り、おでこなどによく見られます。
原因は紫外線の影響や、ストレスといった、長期間の肌へのダメージの積み重ねです。一度できてしまった老人性色素斑は、食事や運動、スキンケアといった、一般的な健康療法での改善は難しいものです。
だからこそ、発生させないための予防ケアや、外用薬によるシミ専門の治療が必要です。特に紫外線による影響が大きいため、日頃から日焼け止めクリームや日傘などで、紫外線から肌を守ることも重要なシミです。
炎症性色素沈着
原因 | ・ニキビ跡 ・傷跡 ・やけど ・虫刺されの跡 |
特徴 | ・灰褐色・茶褐色・紫がかっている ・シミの濃さにムラがある ・輪郭がはっきりしていないものもある |
炎症性色素沈着は、ニキビや傷跡といった、肌への摩擦、刺激によってできてしまうシミです。
通常虫刺されなどは、一時的に赤く腫れる炎症状態を起こすものの、症状が落ち着くと肌の状態も元に戻ります。
しかし、炎症の状態がひどい、ターンオーバーがうまくいかなかったなどの原因から、跡が残ってしまうことがあるのです。
色素沈着は時間が経つと薄くなることもありますが、紫外線などの外部からの刺激を受けると、なかなか改善せずにシミとして定着する原因につながります。
炎症性色素沈着は、メラニンの発生をおさえるために日焼け止め対策を徹底するほか、ターンオーバーを促進するためのスキンケア、食事を見直すといった生活習慣の改善もおすすめです。
肝斑(かんぱん)
原因 | ・加齢 ・ホルモンバランスの乱れ ・ストレス |
特徴 | ・左右対称にできる ・輪郭がぼやけている ・目元から頬など広範囲にできやすい |
肝斑は頬骨を中心に左右対称にできるシミのことです。色も淡いものから濃いものまでさまざまで、シミ1つはほかの種類よりも大きめです。
肝斑は30代から50代の女性に多くみられ、シミができる主な原因は女性ホルモンのバランスの乱れの影響が大きいです。特に妊娠出産後にできた広範囲のシミは肝斑の可能性が高いのです。
肝斑は通常のスキンケアでは改善しづらく、ビタミンやトラネキサム酸といった、肝斑用の塗り薬、飲み薬による治療がおすすめです。
シミを消すセルフケア方法とは?
セルフケアによって、シミを薄くできるのは次の3種類です。
老人性色素斑
炎症性色素沈着
肝斑
一度できてしまったシミは、すぐにきれいに消すようなセルフケアはありません。しかし、日頃からの習慣や、外用薬などを活用することで、シミのケアにつながるのです。
それぞれの種類でおすすめのセルフケア方法をご紹介します。
状況に合わせた日焼け止めを使い分ける
- 普段からの徹底した紫外線対策
- 季節問わず1年中日焼け止めを使用する
- 日常生活はSPF10~20・PA++程度の日焼け止め
- 屋外のレジャーはSPF30以上・PA+++程度の日焼け止め
- 夏場や炎天下はSPF50以上・PA++++の最高レベルの日焼け止め
老人性色素斑ができるのは、紫外線による肌ダメージが非常に大きな原因です。また、多くのシミは紫外線のダメージが原因になっているケースが多いため、365日日焼け止めを使用して対策することが有効です。
また、日焼け止めを使っても3時間程度すると落ちてきてしまいます。特に屋外で過ごす時には、3時間ごとに塗りなおしたり、ほかの日焼け止めアイテムとして帽子や腕カバーなどを使いましょう。
仕事中などで塗りなおしがむずかしいときは、飲む日焼け止めが有効です。あわせて飲む日焼け止めを使うことで、日焼け止めを忘れてしまった日でも、紫外線ダメージをおさえられるのです。
顔の摩擦を最小限にする
- 顔をなるべく触らない
- 泡でやさしく洗顔する
- 化粧道具はやわらかい素材を使う
- 顔のマッサージをするならオイルや乳液で摩擦を減らす
老人性色素斑や炎症性色素沈着は、摩擦による影響や外部からの刺激で起きるものです。
顔を洗うときには、直接こすらずにたっぷりと泡立てた状態で包み込むように洗いあげましょう。
そのうえで、普段からなるべく顔にさらわない意識を持つことも重要です。
炎症性色素沈着は赤みが残っている状態のため、摩擦をできるだけ防いで肌を休ませることで、炎症が落ち着いて目立ちにくくなる可能性もあります。
メラニン生成をおさえるスキンケア
毎日のスキンケア用品を見直すだけでも、これから増えるシミへの対策につながります。特に次の成分は、肌のターンオーバーを手助けして、紫外線ダメージによるメラニンの生成をおさえてくれる種類です。
- ビタミンC誘導体
- ハイドロキノン
- プラセンタエキス
- コウジ酸
- アルブチン
市販されているスキンケアを調べるときには、シミ対策に役立つ成分が入ったものを探してみましょう。毎日のスキンケアの継続が、将来の美しい肌づくりにつながります。
また、スキンケアをする際も顔を強くこすらないように、優しくパッティングしたり乳液などでしっかりとガードして、乾燥対策することも大切です。
女性ホルモンバランスを整える生活習慣
女性は妊娠出産のために、毎月卵巣ホルモンから分泌されるホルモンのバランスが変わります。
主に卵胞ホルモンのエストロゲン、黄体ホルモンのプロゲステロンがあり、これらがお互いにバランスを取り合い、分泌量が変わるのです。
特に妊娠出産を経験すると、ホルモンバランスは大きく変化します。この女性ホルモンの変化により、目の周りや頬骨のあたりに、広範囲の肝斑ができやすいのです。
ホルモンバランスを整えるために、普段からセルフケアを意識しましょう。ポイントは無理なダイエットをしない、必要な栄養をとることです。
特に女性はダイエットのために、食生活のバランスが偏りがちです。すると肌のターンオーバーに必要な栄養も足りず、結果的に肝斑が長期間残ったままシミとして定着してしまうのです。
過度なダイエットは控えて、もし生理不順が続いているのなら医療機関に相談しましょう。また、ホルモンバランスを整えるには、タンパク質や糖質もしっかりと摂ることがポイントです。
医薬用外用薬を使う
医薬用の外用薬は、外からシミに塗ることで、ターンオーバーを促進する作用があります。
美白用の飲み薬や、塗り薬は市販されていますが、医薬部外品と医薬品を比較すると、効果が保証されている成分の含有量が大きく異なります。
シミへの効果効能がきちんと認められており、皮膚科や美容外科で処方される薬は、医薬品として継続して使うことで、シミを消す効果が期待できるのです。
その代表的な成分が「トレチノイン」と「ハイドロキノン」です。
今ある色素を取り除く「トレチノイン」
トレチノインはできてしまったシミに対して、メラニン色素が含まれている古い角質を剥がす働きを持っています。
特に肝斑などの治療に用いられており、皮膚の角質を剥がすことで表皮の細胞の分裂を促し、ターンオーバーの活性につなげるのです。
コラーゲンの分泌もサポートしてくれるため、盛り上がってしまったシミのケアや、小じわの対策にもおすすめです。
トレチノインは米国でシワ、ニキビの治療医薬品として認可されています。
血液中に存在する成分のため、トレチノインを肌に塗ってもアレルギーを起こす心配はありません。
ただし、強力な作用により、シミがとれるまで一時的に肌が赤くなったり、角質がぽろぽろと取れたりします。
だからこそ適正な範囲で薬を使うことで、一週間程度でシミを含んだ角質が少しずつとれていきます。
新しい色素生成をブロックする「ハイドロキノン」
ハイドロキノンは、シミの原因となるメラニンの色素生成自体をブロックする成分です。
別名「肌の漂白剤」と呼ばれるほど強力で、シミ治療としてはトレチノインによってできてしまったシミの角質をとり、ハイドロキノンで予防する組み合わせが鉄板です。
市販されている医薬部外品や、美白クリームとして販売されているスキンケア用品は、このハイドロキノンと比べて成分含有量が少なく、医薬品のような即効性は期待できないのです。
トレチノインとハイドロキノンは海外通販サイトで購入できる
通常、トレチノインとハイドロキノンは、処方箋によって購入できる医療用の医薬品です。
本来は美容皮膚科などを受診する必要がありますが、どうしても時間がとれずに病院に行けないとお悩みの人も多いのではないでしょうか?
これらの医薬品は、海外通販サイトを活用すれば、個人でも購入可能です。
トレチノインとハイドロキノンの両方を含んだクリームなどもあり、1つでできたシミへのアプローチと予防のダブルのケアが可能です。
生まれつきのあざやホクロには効かない
ハイドロキノンとトレチノインは、生まれつきある黒いほくろ、あざには効果が期待できません。
あくまでも後発的にできてしまったシミ対策になるため、注意しましょう。
また、顔と違って薬の成分がとれやすい、手のシミはどうしても反応が鈍く、治療に時間がかかります。顔にできた老人性色素斑や炎症性色素沈着、そして肝斑に有効な外用薬なのです。
まとめ
今回はシミを消す方法として、シミの種類の特徴とともにくわしく解説しました。
シミができてしまう主な原因は、紫外線や摩擦による外部から受けるダメージが中心です。日頃から紫外線対策をすることが大切ですが、それだけではどうしてもシミができてしまうもの。
一度できてしまったシミはスキンケアや生活習慣を見直すだけでなく、医薬品を使うことがおすすめです。
シミ対策と言えば、レーザー治療などの美容外科の方法もあります。
しかし飲み薬や塗り薬であれば近くにレーザー治療を受けられる医院がない方や、まとまった時間がとれないと悩んでいる方も、薬ならすぐにシミケアをスタートできます。
だからこそ、まずは自宅でシミ対策になる外用薬のケアからはじめてみることをおすすめします。