血圧を下げるには、日頃の習慣を見直すことがとても大切です。
薬によって血圧を下げることも、健康管理に必要ですが、そもそも血管に負担をかけないような生活を意識する必要があるのです。
特に食事の摂り方や運動、睡眠の質は、血圧に大きく影響します。
血圧を下げる食事・運動・睡眠習慣が大切
食事の食材にこだわるだけでなく、調理法によっても糖質、塩分が多すぎるメニューは要注意です。また、良質な睡眠をとれていないと、血管に負担がかかる原因につながるのです。
食事、運動、睡眠の3つの習慣をトータルで見直すことが、血圧を下げる方法として重要と言えます。
高血圧はどれくらい?
最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上、またはその両方の場合は高血圧と診断されます。
高血圧は、最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上、またはその両方の場合に診断されます。
血圧は加齢とともに上がります。女性は男性より遅いのですが、それでも40代で14.2%(予備軍を含めると32.4%)50代で39.2%(58.3%)、60代で57.6%(75.3%)と40代で3人に1人、50代では半数以上が高血圧です。
引用:オムロン
このように最高血圧が140mmHg以上、過程の場合は135mmHg以上だと、高血圧に分類されます。血圧は直前の行動や心拍数によって大きく変化します。
正確な血圧を測定するには、しっかりと心拍数を落ち着けて座った状態で計測することが望ましいです。家庭用の血圧計があれば、毎日手軽に血圧を測定できるうえ記録もつけやすいため、血圧が気になる方におすすめです。
血圧を下げる運動とは?
血圧を下げるには、日ごろの運動習慣が大切です。高血圧の人が無理に体を動かすと、血管と心臓に大きく負荷がかかってしまう原因になります。
だからこそ、体への負担が少なく、それでいて血圧を下げるために有効な方法をご紹介します。
ハンドグリップの体操をやる
ハンドクリップは、アメリカの心臓学会でも効果が評価されている血圧を下げるための運動です。
その方法は、次の通りです。
①フェイスタオルを丸める
②2分間30%くらいの力でタオルを握り続ける
③1分間休む
④これを左右2回ずつ繰り返す
タオルを丸めて2分間握ることを繰り返すだけで、腕の血管が刺激されて全身の血圧を下げる効果が認められています。
このハンドグリップの運動を8週間続けた結果、動脈硬化度、大動脈血圧の数字の減少が認められました。
参照:ハンドグリップ運動は血圧を低下させる(岡本) 体育研究所
タオルを握るだけの運動なので心拍数を大きく上げることなく、天気に左右されずに続けられるのです。
休憩を含めて11分でできる運動のため、血圧が気になる人は隙間時間に続けてみてはいかがでしょうか。
インターバル速歩をする
インターバル速歩は、早歩きとゆっくりと歩く動きを交互に繰り返すウォーキング方法です。歩く速さを調整すると、筋肉の動きによって全身の血流が活性化して隅々にまで血液がめぐりやすくなります。
やり方は次の通りです。
- 最大体力のうち70%の早歩きを3分間続ける
- 最大体力のうち40%以下のゆっくり歩行を3分間続ける
- これを交互に合計30分間続ける
同じ30分間のウォーキングでも、ずっと同様のスピードで歩き続けるよりも、インターバル速歩を取り入れましょう。
この緩急によって筋力や体力の増加が期待でき、血流の改善につながっていくのです。
同トレーニングの5ヶ月間の定着率が90%以上,筋力など体力が10%増加し,それに伴って高血圧症などの生活習慣病指標が最高20%低下し,うつ指標が50%改善し,医療費が20%削減されることが明らかになった。
このように、血圧の低下が認められています。また適度な運動習慣によって、日々を前向きに過ごせるといった精神的な気持ちの向上なども期待できるのです。
階段を上り下り・1駅歩くなどの歩数を増やす
血圧を下げるには、きつい運動をするのではなく消費エネルギーを高めて、全身の血流を良くする動きが大切です。
そこで、毎日の歩数を増やすために意識して、階段を使う、こまめに立って歩く動作を心掛けましょう。
- 駅のエスカレーターではなく階段を使う
- 休憩時間は1階まで飲み物を買いに歩く
- 隙間時間に階段を上り下りする
- 一駅分歩いて帰る
日本人の平均歩数は、男性が7,500歩、女性が6,500歩と言われています。しかし、健康維持の理想は1日1万歩以上です。
同じ姿勢でいる時間が長いほど、筋肉が使われずに血圧にも影響が出やすくなります。
積極的に歩くように心掛けるだけでも、血圧を下げる運動につながるのです。
血圧を下げる食べ方・食べ物とは?
血圧を下げる食べ物は、食材選びだけでなくどのような料理を食べるのかも重要です。
血圧を下げるために心掛けたい、おすすめの食事方法と食材をご紹介します。
減塩を心掛けよう
高血圧のもっとも重要なものの1つが、食塩を過剰摂取している状態です。日々の食事から摂取する食塩が多すぎると、血中の塩分濃度が高まります。
上がりすぎた濃度を薄めるために、血管中の水分を増やそうと働いた結果、細い血管にまで強い圧力がかかるのです。
すると、血圧が上昇しやがて動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞といった、高血圧が引き金の疾患の原因になってしまいます。
減塩は今高血圧に悩んでいる人はもちろん、今健康な人たちにとっても、将来のために心掛けたいポイントです。
外食や加工品をできるだけ控える
特に外食やコンビニ弁当といった食事は、塩分が多く味付けが濃くなっています。そのような食事を続けると、気づかないうちに塩分過多になってしまいます。
ほかにも、ハムやベーコンといった加工品も、そのままの肉と比べて塩分が多い食材です。
加工品は便利ですが、常食していると塩分を摂りすぎる可能性があるため、できるだけ無加工の食材を調理する方法がおすすめです。
調味料をむやみに使わない・汁は残す
食材に調味料を追加する前に、味つけを確かめることが大切です。たとえば、焼き魚なら実際に食べてみると、しょうゆをかけなくてもおいしく食べられる可能性があります。
また、しょうゆの代わりに香辛料や、柑橘類の酸味などを加えることで、おいしくいただける料理もたくさんあるのです。
ラーメンやうどん、そばといった汁は、飲み干さずに残すだけで、塩分を2~3gカットできるため意識して残しましょう。
青魚や根菜類を積極的に摂ろう
血圧を下げる食材としておすすめしたいのが、次の通りです。
- 血液サラサラ食材:青魚(さば・さんま、ぶりなど)・玉ねぎの血液サラサラ食材
- 食物繊維:雑穀米・キノコ類・海藻類・根菜などの食物繊維
- ミネラル:アボカド・ナッツ類など
青魚に含まれるDHAやEPAは、血液をサラサラにしてくれる食材として有名です。同じく玉ねぎにも血液をサラサラにする効果が期待でき、一緒に青魚と摂る方法がおすすめです。
また、キノコ、海藻などのミネラルは、塩分を外に排出する手助けをしてくれる栄養素です。食物繊維も余分な食塩を吸着し、体外に排出するサポートをしてくれるため、積極的にとりましょう。
血圧を下げる睡眠とは?
実は血圧を下げるには、日頃の睡眠の質がかなり重要です。血圧は本来、寝起きが低く日中が高く、また眠る時間までに下降するというゆるやかな山型が理想です。
しかし、睡眠中に何度も目が覚めてしまったり、睡眠不足が続いたりすると、体内時計を司る自律神経が乱れる原因になってしまうのです。
本来深夜に下がる血圧がうまく下がらないと、慢性的に血圧が高い高血圧状態につながります。
高血圧対策は「横向き寝」がおすすめ
気道をふさがずに呼吸をスムーズにして眠るには、横向き寝がおすすめです。
高血圧が気になる人や、夜中に何度も覚醒して眠れないと悩んでいる人は、仰向けやうつ伏せではなく気道が安定する横向き寝を実践してみましょう。
1日7時間以上の睡眠時間を確保しよう
睡眠時間が短い寝不足状態は、体がきちんと休まっていない状態です。特に徹夜明けなどは心拍数が上昇し、なかなか落ち着かないという経験がある人も多いのではないでしょうか?
本来睡眠をとるべき時間に、しっかりと体を休めていないと血圧が高いままになり、高血圧が1日中続いてしまうのです。
ますます睡眠の質が低下し、睡眠負債を放置した結果、高血圧が悪化してしまうのです。
睡眠時無呼吸症候群に注意
高血圧と睡眠の関係の中でも、特に注意したいものが睡眠時無呼吸症候群です。
これは睡眠中に呼吸が一時的に止まってしまうもので、体が酸素不足になり血流の悪化につながります。
酸素を送ろうとして交感神経の働きが活発になり、常に覚醒状態のような体になってしまうのです。
また、睡眠時無呼吸症候群を放置すると、呼吸が止まったまま長時間過ごした結果命にかかわるような事態になるリスクがあります。
寝起きから疲れがとれない症状が続いたり、何度も夜中に起きたりするのなら、睡眠時無呼吸症候群を疑って受診することをおすすめします。
効率よく血圧を下げるには降圧剤も併用しよう
血圧を下げるには、日頃の生活習慣の見直しが大切です。しかし、即効性のある血圧を下げる方法としては、降圧剤が使われるケースが多いです。
今回ご紹介した健康方法を取り入れると同時に、降圧剤を服用することで健康管理につながります。
降圧剤は病院による診察で処方してもらえますが、通販でも購入が可能です。どうしても忙しくて病院に行けない、薬を切らしてしまうことが心配な方は、通販で定期購入してみてはいかがでしょうか。
まとめ
血圧を下げる方法として、運動、食事、睡眠の面からポイントを解説しました。
血圧が高いと言われると不安になりますが、日頃の生活習慣の見直しで改善できるものでもあります。
健康のためにも、運動や食事を見直していきましょう。また、場合によっては降圧剤を服用するなど薬を活用することも1つの方法です。