更年期の女性が太るのはなぜ?40代・50代が効率よく痩せる方法を紹介
「最近、何をやっても痩せない…」「若い頃と同じように食べているのに、体重が増える一方…」40代・50代の女性の皆さん、このような悩みを抱えていませんか?それはもしかしたら、更年期による影響かもしれません。更年期は女性ホルモンの変動により、体重が増加しやすい時期です。しかし、適切な対策を行えば、体重増加を抑え、健康的に過ごすことができます。この記事では、更年期の体重増加の原因と、効率よく痩せるための方法を詳しく解説します。
更年期とは?
更年期とは、女性の卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減少する時期のことを指します。一般的には、閉経の前後約10年間、45歳~55歳くらいが更年期にあたります。エストロゲンは、女性の体と心の健康を維持するために重要な役割を果たしており、その減少によって、様々な心身の不調が現れます。これが更年期症状、いわゆる「更年期障害」です。ホットフラッシュ(ほてり)、発汗、不眠、イライラ、気分の落ち込みなどが代表的な症状として知られています。
更年期に体重増加が止まらない理由
更年期に体重が増加しやすくなるのは、主に以下の3つの要因が重なるためです。
エストロゲンの減少による代謝の低下
エストロゲンには、基礎代謝を維持する働きがあります。基礎代謝とは、生命維持に必要な最低限のエネルギー消費のことで、この代謝が低下すると、同じ生活をしていても消費するエネルギー量が減り、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。つまり、若い頃と同じように食べていると、消費しきれずに太ってしまうのです。
筋肉量の減少
加齢とともに筋肉量は自然と減少していきます。筋肉はエネルギーを消費する重要な組織であるため、筋肉量が減ると基礎代謝も低下し、脂肪がつきやすくなります。更年期は、エストロゲンの減少によって筋肉量の減少が加速される傾向にあります。
自律神経の乱れ
エストロゲンの減少は、自律神経のバランスを崩すことがあります。自律神経は、体の様々な機能をコントロールしており、そのバランスが崩れると、食欲のコントロールがうまくいかなくなったり、睡眠の質が低下したりすることがあります。食欲が増進したり、睡眠不足によって代謝が低下したりすることで、体重増加につながるのです。
更年期に増え続ける体重を止める3つの方法
更年期の体重増加は、単なる加齢によるものではなく、ホルモンバランスの変化が大きく影響しているため、適切な対策を行うことで改善が期待できます。ここでは、更年期の体重増加を止めるための3つの方法をご紹介します。
食事を見直す
食事は、体重管理の基本です。更年期は代謝が低下しやすいため、若い頃と同じ食生活を送っていると、エネルギーが消費しきれずに脂肪として蓄積されてしまいます。以下のポイントを意識して、食生活を見直してみましょう。
- バランスの取れた食事を心がける:主食、主菜、副菜をバランスよく摂り、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。特に、タンパク質は筋肉の維持に不可欠な栄養素なので、積極的に摂るようにしましょう。
- 高カロリーな食事を控える:揚げ物やスナック菓子、甘いものなど、高カロリーな食品は控えめにしましょう。
- 食物繊維を積極的に摂る:食物繊維は、満腹感を与え、食べ過ぎを防ぐ効果があります。また、腸内環境を整える効果も期待できます。野菜、果物、海藻、きのこなどに多く含まれています。
- 食事の時間を規則正しくする:不規則な食生活は、自律神経の乱れにつながり、食欲のコントロールが難しくなります。できるだけ毎日同じ時間に食事を摂るように心がけましょう。
- よく噛んで食べる:よく噛んで食べることで、満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐことができます。
運動
運動は、消費エネルギー量を増やし、筋肉量を維持・増加させるために効果的です。特に、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、効率よくダイエットを進めることができます。
- 有酸素運動:ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、脂肪燃焼効果が高く、体重減少に効果的です。1日30分程度の有酸素運動を週3回以上行うことを目標にしましょう。
- 筋力トレーニング:スクワット、腕立て伏せ、腹筋などの筋力トレーニングは、筋肉量を増やし、基礎代謝を高める効果があります。週2回程度、全身の筋肉をバランスよく鍛えるようにしましょう。
- 日常生活に運動を取り入れる:エレベーターではなく階段を使う、近所へは徒歩や自転車で行くなど、日常生活の中で意識的に体を動かすように心がけましょう。
ホルモンの補充(ホルモン補充療法(HRT))
ホルモン補充療法(HRT)は、減少したエストロゲンを補充することで、更年期症状を緩和する治療法です。ホットフラッシュや不眠などの症状改善だけでなく、骨粗鬆症の予防にも効果が期待できます。HRTは、体重増加の抑制にも効果があると考えられています。下記が商品例です。
エストロジェル
エストロジェル(OESTROGEL)は、女性ホルモンの一種であるエストラジオールを有効成分とする経皮吸収型の塗り薬(ゲル剤)です。簡単に言うと、皮膚に塗ることで不足しているエストロゲンを補う薬です。
具体的には、以下のような目的で使用されます。
- 更年期障害の症状緩和: 更年期に起こるホットフラッシュ(ほてり)、発汗、不眠、イライラなどの症状は、エストロゲンの急激な減少が原因です。エストロジェルは、皮膚からエストラジオールを吸収させることで、これらの症状を緩和します。
- 卵巣機能不全: 何らかの原因で卵巣の機能が低下し、エストロゲンが十分に分泌されない場合にも使用されることがあります。
- 生殖補助医療: 体外受精などの生殖補助医療において、ホルモン補充療法の一環として使用されることがあります。
エストロジェルの特徴
- 経皮吸収: 飲み薬と異なり、皮膚から直接吸収されるため、肝臓への負担が少ないとされています。
- 簡便な使用: ゲル剤なので、皮膚に塗るだけで簡単に使用できます。
- 血中濃度の安定: 飲み薬に比べて、血中エストロゲン濃度が比較的安定しやすいとされています。
使用方法
通常、1日1回、両肩から両手首の内側にかけて、広範囲に薄く塗り広げます。塗布部位は、毎日変えることが推奨されています。
エチニルエストラジオール
エチニルエストラジオールは、天然のエストロゲンであるエストラジオールを化学的に修飾したもので、経口投与(飲み薬)で効果を発揮するように改良されています。主に以下の目的で使用されます。
- ホルモン補充療法(HRT): 更年期障害の症状(ホットフラッシュ、発汗、不眠、膣の乾燥、気分の落ち込みなど)を緩和するため。
- 経口避妊薬: プロゲスチン(黄体ホルモン)と組み合わせて避妊薬として使用。
- 性腺機能不全: エストロゲンの分泌が不足する場合に補充療法として使用。
更年期への効果
更年期は、卵巣機能の低下によりエストロゲンの分泌量が急激に減少することで起こります。このエストロゲンの減少が、様々な更年期症状を引き起こします。エチニルエストラジオールは、不足したエストロゲンを補充することで、これらの症状を緩和する効果が期待できます。具体的には、
- ホットフラッシュ(ほてり): エストロゲンの補充により、血管の拡張を抑え、ほてりの症状を軽減。
- 発汗: ホットフラッシュに伴う発汗も軽減。
- 不眠: エストロゲンの不足による自律神経の乱れを整え、睡眠の質を改善。
- 膣の乾燥: 膣粘膜の萎縮を改善し、乾燥や性交痛を緩和。
- 気分の落ち込み: エストロゲンは脳機能にも影響を与えるため、補充により気分の落ち込みを改善する可能性。
エチニルエストラジオールの使用方法
エチニルエストラジオールは、更年期障害の治療に用いられることがありますが、通常は単独で使用されることは少なく、プロゲスチン(黄体ホルモン)と併用されることが多いです。これは、エストロゲン単独の投与が子宮体がんのリスクを高める可能性があるためです。
エチニルエストラジオールの服用方法は、使用する製剤によって異なります。以下、一般的な情報と注意点をまとめます。
一般的な服用方法
併用療法: エストロゲン(エチニルエストラジオールを含む)とプロゲスチンを周期的にまたは持続的に投与する方法が一般的です。
周期的投与: エストロゲンを一定期間(通常21〜25日間)投与し、その後数日間休薬し、休薬期間中にプロゲスチンを併用する方法。これにより、生理のような出血が起こります。
持続的投与: エストロゲンとプロゲスチンを毎日継続して投与する方法。これにより、出血が起こりにくくなります。
製剤: エチニルエストラジオールは、錠剤、貼り薬(パッチ)、塗り薬(ゲル)など、様々な剤形で提供されています。どの剤形を使用するかは、医師が患者の状態に合わせて判断します。
用量: エチニルエストラジオールの用量は、症状の程度や個人の状態によって異なります。通常は、少量から開始し、効果を見ながら調整されます。自己判断で用量を変更しないようにしましょう。
服用開始時期
更年期症状が現れ始めた時期、または閉経後早期に開始することが推奨されています。
閉経後長期間経過してからHRTを開始する場合は、血栓症などのリスクが高まる可能性があるため、慎重な判断が必要です。
服用時の注意点
医師の指示に従う: 服用方法、用量、期間は、必ず医師の指示に従ってください。自己判断で変更すると、副作用のリスクを高める可能性があります。
定期的な検診: HRT中は、定期的な検診(乳がん検診、子宮がん検診、血液検査など)を受けることが重要です。
副作用のモニタリング: 服用中に気になる症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。
喫煙: 喫煙は血栓症のリスクを高めるため、HRT中は禁煙することが推奨されます。
血栓症のリスク: 血栓症の既往歴がある方、血栓ができやすい体質の方、長期間安静にする必要がある方は、HRTのリスクが高まるため、医師に相談してください。
エチニルエストラジオール単独での使用について
子宮を摘出している女性の場合は、子宮体がんのリスクがないため、エチニルエストラジオール単独で使用されることがあります。しかし、子宮がある場合は、必ずプロゲスチンと併用する必要があります。
体験者が回答!更年期の症状を和らげるために40代・50代女性が実践したこと
ここでは、実際に更年期を経験した女性たちが、症状を和らげるためにどのようなことを実践したのか、具体的な体験談をご紹介します。(※これらの体験談は、複数の体験談を参考に再構成したものです。)
48歳女性 Aさんの場合
40代後半になり、急にホットフラッシュや不眠に悩まされるようになりました。夜中に何度も目が覚めてしまい、日中も体がだるくて何もやる気が起きませんでした。体重も徐々に増え始め、焦りを感じていました。そこで、まずは食生活を見直すことにしました。野菜中心の食事に変え、間食もできるだけ控えるようにしました。また、ウォーキングを始め、少しずつ運動習慣も身につけていきました。最初はなかなか効果を感じませんでしたが、3ヶ月ほど続けるうちに、ホットフラッシュの頻度が減り、夜も眠れるようになってきました。体重も少しずつ減り始め、体調も以前よりずっと良くなりました。
52歳女性 Bさんの場合
閉経後、急に体重が増加し、お腹周りが特に気になるようになりました。色々なダイエットを試しましたが、なかなか効果が出ませんでした。そこで、担当の方に相談したところ、HRTを勧められました。HRTを始めてから、ホットフラッシュなどの症状が改善され、体調も安定してきました。体重も徐々に減り始め、以前の服も着られるようになりました。HRTには副作用のリスクもあると聞いていたので、最初は不安でしたが、担当の方と相談しながら、自分に合った方法で続けています。
よくある質問
更年期太りはむくみが原因の場合もある?
はい、更年期太りの原因の一つにむくみがあります。エストロゲンの減少は、水分代謝にも影響を与え、むくみを引き起こしやすくなります。塩分を控えめにする、カリウムを多く含む食品を摂る、適度な運動をするなど、むくみ対策を行うことで、体重増加を抑える効果が期待できます。
更年期のダイエットに漢方は効果的?
漢方は、体全体のバランスを整えることで、更年期症状の緩和に効果が期待できます。体質に合った漢方薬を服用することで、代謝の改善や自律神経の調整、水分代謝の改善などが期待でき、ダイエットにもつながる可能性があります。漢方薬を使用する場合は、漢方に詳しい専門家(漢方医や漢方薬局)に相談することをおすすめします。
更年期の体重増加はいつまで続くの?
更年期の体重増加は、エストロゲンの減少が落ち着くまでの期間、つまり閉経後数年続く可能性があります。しかし、個人差が大きく、数ヶ月で落ち着く人もいれば、数年続く人もいます。適切な対策を行うことで、体重増加を最小限に抑えることは可能です。
承知いたしました。更年期と体重増加に関するブログ記事の続きを書きます。
更年期に痩せる人はいる?
はい、更年期でも痩せる人はいます。もともと代謝が高い人や、食生活や運動習慣をしっかり管理している人は、更年期でも体重を維持したり、減量したりすることが可能です。また、更年期症状の一つである食欲不振や消化器系の不調によって、結果的に体重が減少するケースもあります。ただし、急激な体重減少は、甲状腺機能亢進症や糖尿病などの病気が原因の可能性もあるため、注意が必要です。急に体重が減った場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
このまま体重が増え続けたら病院を受診したほうがいい?
急激な体重増加や、体重増加に伴って体調不良を感じる場合は、病院を受診することをおすすめします。更年期による影響だけでなく、他の病気が隠れている可能性もあります。また、更年期症状が重い場合も、医療機関で相談することで、適切な治療を受けることができます。婦人科や更年期外来などを受診すると良いでしょう。
更年期の体重増加は食事と運動で対策
更年期の体重増加は、ホルモンバランスの変化だけでなく、生活習慣の影響も大きく受けています。食事と運動を中心とした生活習慣の見直しは、体重管理だけでなく、更年期を健康に過ごすためにも非常に重要です。以下の点を意識して、積極的に生活に取り入れてみましょう。
食事のポイント
- タンパク質を積極的に摂る:筋肉量の維持・増加に不可欠なタンパク質は、肉、魚、卵、大豆製品などに多く含まれています。毎食バランスよく摂るように心がけましょう。
- 良質な脂質を摂る:オメガ3脂肪酸を含む青魚や、オリーブオイル、ナッツ類など、良質な脂質は、ホルモンバランスの調整や代謝の改善に役立ちます。
- 血糖値を急上昇させない食べ方を意識する:食物繊維を多く含む野菜から食べ始め、次にタンパク質、最後に炭水化物を摂るようにすると、血糖値の急上昇を抑えることができます。
- 間食は控える:どうしても間食がしたい場合は、ナッツやヨーグルト、果物など、低カロリーで栄養価の高いものを選びましょう。
- 水分を十分に摂る:水分不足は代謝の低下につながります。こまめに水分補給を心がけましょう。
運動のポイント
- 無理のない範囲で続ける:最初から激しい運動をする必要はありません。まずはウォーキングなどの軽い運動から始め、徐々に強度を上げていくと良いでしょう。
- 日常生活に運動を取り入れる:階段を使う、積極的に歩くなど、日常生活の中で意識的に体を動かすように心がけましょう。
- 筋力トレーニングを重視する:筋肉量を維持・増加させるためには、筋力トレーニングが効果的です。自宅でできる簡単な筋トレから始めてみましょう。
- ストレッチやヨガを取り入れる:体の柔軟性を高め、血行を促進するストレッチやヨガは、心身のリラックスにも効果的です。
更年期を前向きに過ごすために
更年期は、女性にとって人生の大きな転換期です。心身に様々な変化が現れるため、不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、適切な対策を行うことで、更年期を快適に、そして前向きに過ごすことができます。食事や運動などの生活習慣の見直しはもちろん、必要に応じて医療機関のサポートを受けることも大切です。自分に合った方法で、更年期を健やかに過ごしましょう。
まとめ
更年期の体重増加は、エストロゲンの減少による代謝の低下、筋肉量の減少、自律神経の乱れなど、様々な要因が複雑に絡み合って起こります。しかし、適切な食事管理、運動習慣、必要に応じたHRTなどの対策を行うことで、体重増加を抑え、健康的な生活を送ることが可能です。もし、体重増加が気になる場合は、自己判断で悩まずに、医療機関に相談することをおすすめします。